画家 軽部武宏の日記

画家 軽部武宏の最新情報

絵本ラフ

絵本のアイデアの断片が閃いた時、消え去る前に急いでその辺の紙に言葉なりスケッチなりを描き留めておくのだが、暫くして見返すと殆どがガッカリするほどツマラナイ。そんな中で稀に、描いた時とは違う感覚でイメージが広がるスケッチが有ったりする。最初のアイデアが種となり新たなアイデアが芽吹くのだ。そして今までいくら考えても点でしかなかった事柄が一気に線で繋がっていく。この繋がる速度が早ければ早いもの程、結果として面白い本を作れている気がする。

で、先ほど一気に繋がったアイデアラフが出来たので一寸寝かしてみる。

 

ハコガメ無事、孵化!

卵に小さなヒビが入ってから3週間、本日孵化しました。出てくるの遅過ぎる!

随分のんびりした仔です。死籠りという言葉も脳裏をよぎっていたので漸く一安心。

平均27℃管理で97日。甲長34mm、11g。

食玩みたいですが本物です。よく見ると口先にはまだ卵嘴が付いています。この卵嘴を使って卵を内側から割り外へ出てくるのです。孵化のためだけの嘴で、孵化後数日で取れてしまいます。

10日後から餌付け開始です。すんなり配合食べてくれますように。

追記:翌日残りの一頭も無事孵りました。

f:id:karugamasky:20161003172627j:plain

 

グループ展のお知らせ

 妖/怪~あやかし~展

■2016年8月5日[金]〜8月29日[月]
■月~金/13:00~20:00 土日祝/12:00~19:00
■入場料:500円(開催中の展覧会共通)
■会場:parabolica-bis(パラボリカ・ビス)
住所:東京都台東区柳橋2-18-11  map
電話:03-5835-1180

アクセス:
「浅草橋」駅JR東口・徒歩6分/都営浅草線A6出口・徒歩4分
駅から:江戸通りを浅草方面に進み境耘閣の角を右折。2本目の道を左、1本目の道を右に入る。

 

私は旧作含め10点展示しています。

 

 

[artist]

相場るい児/Ruiji Aiba
天野行雄/Yukio Amano
金子富之/Tomiyuki Kaneko
軽部武宏/Takehiro Karube
北村紗希/Saki Kitamura
北葛飾狸狐/Riko Kitakatushika
中川学/Gaku Nakagawa
西岡兄妹/Nishioka bro.&sis.
山科理絵/RieYamashina


艶めかしい妖し、不気味な怪し、
あやし、あやかしは、
心の奥に眠る本能。
物語の中に、世界観の中に、
跋扈し蠢き人を揺さぶる。
そんな心騒めかせる妖・怪を
一同に集め、
末世鬱世を遊んで見よう。


DIRECTION
『幽』編集長 東雅夫
夜想』編集長 今野裕一

f:id:karugamasky:20160730121142j:plain

f:id:karugamasky:20160730121200j:plain

あやしい絵本

別冊太陽「あやしい絵本(東雅夫/監修)」届く。

27日頃より書店に並ぶので是非手に取ってみて下さい。

この本では「ながぐつボッチャ〜ン」の絵が表紙、表2、表3に使用され、本項では編集の筒井さんが中身を素敵に解説してくれている。表紙の鯰の絵の背景は元はホワイトなのだが、デザイナーが予想外にパープルでキメてくれた。一層あやしさが増したようで変化が面白い。

スタシスやアリスマンの本も紹介されていて嬉しくなる。懐かしい。20年位経つだろうか、アリスマンが来日した時ペインティングのワークショプに参加し、このチャンスを逃すまいと、描きためていた絵のファイルを隠し持って行き唐突に本人に見てもらった事を思い出した。とても親切に一枚一枚見てくれ丁寧に感想を言ってくれたのだった。係員に怪訝な顔をされながら急かされながらの短い時間だったが、作風とは真逆の優しい笑顔と人柄に魅了された。それから数年後アリスマンのタブローが東京で売りに出される機会があり一番に会場入りしてモンキーシリーズの小さな絵を購入し、今でも大切に持っていて僕の宝物の一つとなっている。

巻末インタビュー記事で清水崇監督が「こっそりどこかに」や「ちょうつがいきいきい」を楽しんでくれているのを知り嬉しくなった。「こっそりどこかに」の映像化!を考えた事があるとの事で、驚嘆した。絵本ならではの自由な余白と速度を映画にする時にも維持出来たとしたらどんな感じになるのだろう?想像が膨らむ。

絵本を通してはイメージが拡張するきっかけを表現したいと思っているのだが、一寸でも油断すると過保護に行き過ぎてしまうか不親切すぎて届かないという状況に陥る。この匙加減は難しく、その時の自分以外の状況や因子によっても左右される。「ながぐつボッチャ〜ン」は編集者、デザイナー、プリンティングディレクター、版元に恵まれた結果出来上がった幸せな絵本だと思う。時が経っても本を開く度、関係した皆さんに対する感謝の気持ちが強く起き上がってくる。

 

本を閉じた後、まわりの風景や物が変わって見えるきっかけになるような絵本、開く度己の中で違う発見がある絵本、描いていきたい。

f:id:karugamasky:20160625110613j:plain

おばけ色校

来月発売の絵本雑誌「おひさま」に掲載されるおばけ話の色校。

吸い込みの良い再生紙に印刷されるので若干彩度が落ちるのだが、ざらついた手触りが心地良いので気に入っている。

f:id:karugamasky:20160616122320j:plain