画家 軽部武宏の日記

画家 軽部武宏の最新情報

絵に見られる

僕が絵を見に行く場所は美術館が多い。絵を見る時はどんな絵か見てやろうと思ったり、無意識に良いとか悪いとか判断しがちではあるが、同時に絵や画家からも見られている事を忘れないように心がけている。見るとは即ちこちらが試されている事でもある。絵に限らず何か未知のものに出会った時、レッテルを貼り、自分の中の数少ない引き出しにしまう事で安心する人と分からないまま楽しめる人、寧ろ分からない事が楽しい人に分かれる気がしている。図像学というジャンルも有るし頭で絵を見る事も決して悪くない。しかし、絵は目で感じるものなのだ。分かる分からないとかで判断する事象ではない。作品を見て、日常の不自由さから解放され自由になれた時、何かの扉が開いた時、よくわからないけど心の奥の方から熱いものが込み上げてくる。そんな瞬間に巡り会いたくて今日も展示室に足を踏み入れる。